ミニ肝臓の作製

 横浜市立大学のグループは、ヒトのiPS細胞から、肝臓の機能を持った小さな組織ミニ肝臓を大量に作れる手法を開発しました。従来の100倍以上となる約2万個のミニ肝臓を1枚の容器の中で作製することができます。今後、肝臓病の患者にミニ肝臓を移植する再生医療が可能になるかもしれません。1回の治療に必要な数のミニ肝臓を数枚分の容器の培養でまかなえる見通しです。
 研究チームは、ミニ肝臓に必要な3種類の細胞をiPS細胞から効率良く作る手法を開発しました。3種類の細胞を組み合わせたミニ肝臓は、たんぱく質の分泌やアンモニア分解などの機能が従来より高まりました。重症な肝不全のネズミに移植すると、生存率が改善しました。研究チームは肝臓の機能異常でアンモニア分解できない先天性の病気を対象に、臨床研究の実施を目指しています。

(2017年12月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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