ラニーニャ現象による冬型気圧配置

空気(大気)はあたたまると上へ上っていきます。空の上では冷え、もくもくと雲ができて雨が降ります。冷えた空気は、地面の近くに下りてきます。この動きを対流活動と呼びます。太平洋側の西側、インドネシアやフィリピンのあたりは、島が多くて浅い海が広がっているから海水があたたまりやすく、このあたりで上に上がった空気は東に進んで、太平洋の東側で下ります。その後、今度は西に戻ろうとします。
この東風によって、太平洋の西側であたたまった海水は広がりにくくなっています。東風が強くなって、東側の水温が普段よりもっと低い状態になるのがラニーニャ現象です。逆に東風が弱く、高くなるのはエルニーニョ現象と呼びます。ラニーニャはスペイン語で女の子、エルニーニョは男の子を指す言葉です。
ラニーニャ現象になると、太平洋の一番西側の対流活動が活発になります。強い東風によって冷たい水が運ばれ、日本近海の海水温も下がります。すると冷たい北風が南の海まで届きやすくなり、間にある日本にも影響が及びます。
日本の冬は西高東低の気圧配置になります。冬の大陸は海に比べるととても冷えやすくて、冬型になるとシベリアや中国あたりで冷えた空気が、北風になって日本に吹き込んできます。日本海の上を通る時に水分を含んで、日本海側に雨や雪を降らせます。この冬は寒く、雪が多いのもラニーニャ現象によると考えられています。

(2022年月22日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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