リスク家庭の増加

無職で独身の子が、同居する高齢の親に生活費を頼るうち、社会から孤立してしまう、いわゆる8050問題を抱えたリスク家族が増加しています。朝日新聞らの調査によれば、無職で独身の40~50代の子と60代以上の親が同居し、生活費を親が負担している家庭が、2013年時点で推計約57万世帯あると試算されています。1995年の約3倍に達しており、子が40代の家庭は50代の家庭の約2倍になっています。長期不況や労働環境の悪化、未婚率の上昇、格差の広がりなど、複合的な要因が指摘されています。
8050問題を抱える家庭においては、ひきこもりの他、生活困窮や介護、障害など、複数の問題が時間の経過とともに積み上がっている家庭が多くなっています。ひきこもり支援という視点だけで解決を目指すのは難しくなっています。複数の問題を持つ家族の支援につなげようと、厚生労働省の有識者会議は、昨年末、介護、障害、子ども、困窮の4分野を一体的に運用する新たな相談支援制度の必要性を提言しています。

 

(2020年5月13日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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