リビング学習の意義

子どもが自室ではなく、家族が集まる場所で勉強するリビング学習を取り入れる家庭が増えています。親の目があるため、子どもが程良い緊張感を持って学習に取り組める、親子のコミュニケーションが取りやすいといった点が評価されています。リビング学習が広がりだしたのは10年ほど前からです。ベネッセ教育総合研究所の調査によれば、小学生の約8割がリビング・ダイニングで勉強すると回答しています。リビング学習がしやすいように設計した住宅や、リビング学習向けの照明や椅子などお関連商品も増えてきています。
多くの親が学力アップに期待を寄せる半面、リビング学習が学力向上につながると立証したデータはありません。親の目が届くがゆえに、勉強中につい口出しするなど過干渉に陥る危険性があります。リビングで勉強する方が学力が上がるからなどと親が強制し、子どもが逆にやる気を失うリスクもあります。学年が上がるにつれて、リビングよりも自分の部屋で勉強する方が落ち着くという子どもが増えてきます。いずれにしても、勉強の内容によって使い分けるなど、子どもの意向を尊重することが大切です。

(2018年8月28日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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