ルイスの転換点

 1979年ノーベル賞経済学賞の受賞者であるイギリスの経済学者であるアーサー・ルイスによって提唱された、人口流動モデルの概念をいいます。工業化が起こり、農業部門から工業部門への労働の移行が進み、農村から都市部への人口移動がほぼ終わり、労働力の供給不足から賃金上昇が加速し、経済成長のプロセスにおける重要な転換点となります。
 少子高齢化が進んでいる日本は、すでに多くの高齢者や女性が職に就いています。今後は、むしろ団塊世代などの高齢者が労働市場から退出する局面に入り、供給は減ってきています。高齢社会版ルイスの転換点はすぐにくると思われます。わが国の失業率は3%前後まで下がり、有効求人倍率も全都道府県で1倍を超えています。パート労働者の時給は明らかに上がってきています。正社員の月給も緩やかながら、上昇はしています。

 

(2017年7月14日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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