一時保護所の役割

一時保護所とは、親などから虐待を受けて、家にいたら危ないと判断された子が、まず最初に入る場所です。2018年10月時点で全国に137カ所あり、児童相談所が運営しています。一時保護所で、児童相談所が子どもや家族に話を聞くなどして、安全に暮らせるかを調べます。家では安全に過ごせないと判断されたら、その子は児童養護施設などで暮らしたり、里親に預けられたりします。原則2ケ月までとされ、平均は約30日、一時保護所で過ごします。その間は学校に行けず、プリント学習などをしています。
最近、児童相談所(児相)が運営する一時保護所が問題になっています。子ども同士で話したり、目を合わせたりしてはいけないなどのルールがあったことが指摘されています。ルールを守らないと、壁に向かって食事する、体育館の中を何周も走るといった罰を与えるようなこともありました。お互いのプライバシーを明かさないようにするためとされていますが、定員以上の子どもが入っているのに世話をする職員が少なく、どうしても一律の管理になると、都は説明しています。しかし、傷ついた子どもたちがさらに傷つくことがないよう、一人ひとりにきめ細かな対応ができる場所になることが必要です。

 

(2019年7月25日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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