不育症に対する支援

不育症とは、妊娠しても、流産や死産を2回以上繰り返したことがある場合を言います。1回の妊娠で、自然流産は10~15%の確率で起きます。2回以上流産するのは4.2%、3回以上は0.88%とされています。不育症の患者は、少なくとも30万~50万人と推定されています。
不育症の原因は、子宮形態異常や甲状腺機能の異常、夫婦いずれかの染色体の形の異常など多岐に及びます。その他、胎盤に血栓ができて、赤ちゃんに栄養がいかなくなってしまう抗リン脂質抗体症候群の場合は、アスピリンの服用や、ヘパリンの自己注射で血液をさらさらにする治療を行います。治療を受けた場合、7~8割が妊娠・出産できます。
しかし、検査しても不育症の65%は夫婦に異常が見つかりません。夫婦側に異常が見つからなくても、2回流産した人は8割、3回の人は7割が次の妊娠で出産できます。流産を繰り返すと、自分に原因があって次も出産できないと思う人が多いのですが、自分を責めないことが大切です。

 (2021年11月26日 朝日新聞)

流産の6~8割は、胎児の染色体数の異常とされています。夫婦に異常がない場合の多くが、偶発的に染色体異常を繰り返しています。流産率は、女性の年齢が35歳以上から上がります。妊娠年齢の高年齢化で、染色体異常による流産は増えています。
2021年度から、流産した時の胎児の染色体の数の検査1回につき、5万円を上限に支給する国の助成制度が始まりました。

(吉村 やすのり)

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