世界の人口減はいつか?

20世紀に入ってから急増した世界の人口は、いま78億人に達しています。国連が昨年公表した予測によれば、人口は当面伸び続けますが、2100年に109億人でピークに達する可能性があります。今世紀中に増加が止まる、あるいは減少に転じる確率も27%あるとされています。この推計は従来の予測をかなり下方修正しています。
米ワシントン大のチームによれば、人口のピークは2064年の97億人で、今世紀末には88億人まで減ると計算しています。最大の理由は、先進国だけでなく、多くの途上国、特にアフリカで女性が産む子どもの数が予想以上の速さで減っていることによります。背景には、女子の教育や避妊の知識の普及があります。
地球上の人口が減ること自体は、良いニュースでもあると考えられています。様々な資源が枯渇する心配が減ります。環境の悪化や地球の温暖化を防ぐうえでも、一時的にはプラスになるかと思われます。人口の減少、特に急激な落ち込みは様々な問題を招くことになります。人口は国の活力や影響力、さらに年金をはじめとする社会保障制度の維持などに深く関わっているからです。

(2020年11月15日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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