中国の出生数の減少

中国の少子高齢化が加速しています。2018年の出生数は、2017年比200万人少ない1523万人でした。一方で高齢者は増え、65歳以上が人口に占める比率は2018年末に11.9%と前年比0.5ポイント上昇しています。中国政府は、都市部で夫婦の子どもを1人に限る一人っ子政策を撤廃し、2016年にすべての夫婦に2人目の出産を認めました。2016年の出生数は99年以来の高水準となる1786万人と1999年以来の高水準でしたが、2017、2018年と2年連続で減少しています。
1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は、2016年に1.25%です。高騰する不動産や教育費、不足する保育所で、出産をためらう女性が少なくありません。一方で高齢者は増えています。65歳以上の高齢者は2018年末で1億6658万人となり、前年比827万人増えています。
日本を上回る速度で少子高齢化が進むと思われます。少子高齢化は、年金、医療など社会保障の財政を圧迫します。年金、医療など社会保険への政府補助は、2018年に約20兆円と5年前の2倍に膨らんでいます。15~64歳の生産年齢人口も2018年末に5年連続で減少しています。一般に生産年齢人口が減少すると、個人消費の減退などを通じて経済成長を下押してしまいます。

(2019年1月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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