主要国の実質経済成長率

新型コロナウイルスの感染拡大で、外出自粛や都市封鎖(ロックダウン)が各国で広がり、人の動きが停滞したままです。経済成長の原動力の一つ、人とモノの行き来を活発にするグローバル化に歯止めがかかっています。国際通貨基金(IMF)が10月にまとめた最新の見通しでは、世界全体の2020年の実質GDP成長率は前年比4.4%減とされています。マイナス成長は1980年以降で、リーマン・ショック直後の2009年以来2度目です。
主要7カ国(G7)でいち早く都市封鎖に踏み切った欧州のイタリアや英国、フランスは、9.8~10.6%減と大きく下落しました。日本は5.3%減で、米国の4.3%減に次ぎマイナス幅が小さくなっています。各国とも大規模な経済対策を進め、財政は軒並み悪化しています。リーマンの当時は欧米での金融不安が発端で、世界の危機に発展し、G7各国は軒並みマイナス成長になりました。しかし、中国など新興国が堅調だったため、世界経済の回復を支えていました。
急成長してきた新興国や途上国の経済も、今回は苦しくなっています。インドは10.3%のマイナス成長の見込みで、中国は2019年の6.1%から2020年に1.9%へ落ちています。新型コロナは、経済で最も重要である人の動きを止めるしか解決策がなく、世界的な感染拡大で大きな影響を受けています。

(2020年12月20日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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