乳がんの遺伝子検査

 遺伝性乳がんや卵巣がんが疑われる場合、BRCA1/2遺伝子の病的な変異の有無を調べます。BRCA1/2遺伝子は、がんの発症を抑制する働きを持っていますが、異常があると十分に機能せず、遺伝性の乳がんや卵巣がんを発症するリスクが高まります。2つの遺伝子の異常を調べる検査は、現在、米国の検査会社が医療機関を通じて提供していますが、1人約2030万円と費用が高額で、これまで検査を受ける女性は限られていました。
 国立遺伝学研究所のグループは、BRCA1/2遺伝子の異常を低コストで調べる方法を開発しました。新たな手法は、一度に大人数を調べるため1人当たりのコストを下げることができ、現在1人約2030万円の検査費用を2万円程度まで抑えられます。費用が安ければ、多くの人が検査を受けられることになります。しかし、遺伝子に異常が見つかっても、発症のリスクは人によって異なるため、専門家による丁寧な検査結果の説明が必要となります。

(2017年2月12日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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