乳がん検診

 生涯のうちに乳がんを発症する女性の割合は、141人ともいわれます。年間約13,000人の女性が亡くなっています。乳房内は母乳を作る乳腺が張り巡らされ、乳腺密度が高い順に、高濃度、不均一高濃度、乳腺散在、脂肪性の4段階に分類されます。高濃度と不均一高濃度は日本人に多く、約58割を占めています。マンモグラフィー(マンモ)ではやわらかい脂肪は黒く、かたい乳腺は白く写ります。腫瘍のしこりも白く写るため、乳腺が発達しているほど画像が白く見え、乳腺の白い影に隠れてがんを見つけにくくなります。
 検診の新たな選択肢として、マンモとエコーの併用が期待されています。エコーでは腫瘍が黒く、乳腺が白く写ります。40代の日本女性7万6千人が対象の大規模調査で、両方を併用した場合、マンモだけより乳がん発見率が1.5倍になります。今のところ、国はエコーを推奨しておらず、一部自治体を除き、希望者は基本的に全額自己負担となります。マンモをまず受け、自分の乳腺密度を知ることは非常に大切であり、次にエコーを受けるか判断材料になります。マンモやエコー以外の検査もあります。画像精度の高いMRI(核磁気共鳴画像法)や乳房専用のPET(陽電子放射断層撮影法)も開発されています。

(2017年3月8日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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