乳児ボツリヌス症

 ボツリヌス菌は、土壌や河川など、自然界に広く存在しています。腸内で繁殖をした菌が強い毒素を作り、嘔吐や呼吸困難などを引き起こすことがあります。大人の場合、体内に入っても腸内細菌の働きで繁殖は抑えられますが、1歳未満だとその動きが弱く、乳児ボツリヌス症を発症しやすくなります。死滅させるには、120度で4分以上加熱する必要があり、家庭で煮沸する程度では困難です。
 ハチミツの中のボツリヌス菌が原因で東京都内の乳児が死亡しました。亡くなったのは生後6か月の男児で、1日に2回ほど栄養を補うためハチミツをジュースに混ぜて与えていたそうです。厚生労働省は、1987年に1歳未満の乳児へハチミツを与えないよう指導するよう、都道府県などに通知しています。各自治体は、母子手帳や乳児健診などを通じて情報提供しています。厚生労働省は、今回の死亡事故を受け、改めて注意喚起を行っています。

(2017年4月13日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。