人づくり革命の是非―Ⅱ

支援策の問題点①
 子育て世帯に教育費負担が重くのしかかっており、ひとり親家庭の貧困率は5割を超えています。保育や教育の負担を軽くするという改革の方向性には一定の評価がされています。しかし、無償化の対象範囲や政策の進め方には疑問の声が出ています。35歳児を対象にした無償化に所得制限がないことには、高所得者の優遇になります。
 すでに、生活保護世帯や、住民税の非課税世帯の第2子以降は保育料が無料になっているうえ、高所得者ほど保育料が高いため、無償化の恩恵は高所得者ほど大きくなってしまいます。低所得世帯はすでに一定の恩恵を受けているので、無償化はそれほど役立たないのではないかとの指摘があります。全ての世帯の無償化は高所得者の優遇になるので、他の子育て支援策に財源を回すべきだとの意見もあります。

(2017年12月9日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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