人口減に対する政策の必要性

国立社会保障・人口問題研究所の発表によれば、全都道府県で2030年から人口が減り始め、2045年には7割の市区町村で2015年に比べ人口が20%以上減ると予測されています。日本の総人口は、出生・死亡中位推計によれば、2015年の1億2,700万人から2065年には8,800万人まで減るとされています。
日本は、50年間で3割程度の人口が減り、15~64歳の生産年齢人口の割合も61%から51%程度に低下します。年金など持続可能な社会保障制度は危機的状況に陥ります。中国やインドの勃興の背景には、人口の急増がありました。少子高齢化が進む中国では、2030年代ごろまでは拡大します。米国が毎年2%程度の経済成長率を続けるのも人口増が底流にあります。25~39歳の女性の人口自体が激減しています。少子化対策をやれば、人口減が緩和されるという考えは通用しない時代になってきています。日本は人口減に伴う国力の衰退が予測されているにも関わらず、日本の政治は人口減の問題に優先的に取り組んでいるとは思われません。日本の政治家の資質や政治の役割や機能という根本的な問題が問われています。

(2018年5月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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