人口減少の危機意識

総務省が発表した今年1月1日現在の日本の人口は、1億2744万3563人です。うち、外国人住民を除いた日本人住民は1億2477万6364人で、前年比で過去最大の43万人余、0.35%が減少しています。これは岐阜市や高松市などの県庁所在都市がまるごと消えたのと同じ規模です。日本の人口は、2065年にはピーク時と比べて4千万人減ると推計されています。率にすると3割以上の減少です。その年には65歳以上の人口が38%を超え、ほぼ5人に2人が高齢者です。
国立社会保障・人口問題研究所による人口推計によれば、近い将来、日本は老年人口が膨れ上がって、生産年齢人口と年少人口がやせ細り、棺形と呼ばれる人口ピラミッドになってしまいます。人口減少と高齢化が進むと、労働力不足、需要の減少で経済が縮小し、国力は急激に衰えていきます。現在、人口学者の予想を超えて、出生率は下がり続けています。人口変動は巨大タンカーと似ており、急にスクリューを反転させても慣性で減り続けます。性別も貧富の差も政治的立場も関係なく、人口危機は、全国民を巻き込んで崖を転がり落ちてしまいます。
私たちは、急激に人が減っている国に生きています。しかし、政治家も含めて国民にはその危機意識がありません。危機の訪れを予想しているにもかかわらず手をこまねいて傍観し、対策を先送りにしています。今や国民一人ひとりが、少子化、人口減少の問題を真に考える時期に生きています。
わが国の少子化の現状は、複合的な様々な要因が考えられるため、その対策は困難を極めます。しかし今立ち上がらなければ、取り返しのつかないことになってしまいます。

(2019年7月23日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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