人口減少社会―Ⅴ

超高齢化社会
 65歳以上の高齢者人口がピークを迎えるのは、第2次ベビーブーム世代が高齢者になった後の2042年の見通しです。高齢化率は36.1%となり、その後も上昇を続けて50年後には38.4%になります。年金や医療、介護などの社会保障は、主に1564歳の現役世代の保険料や税負担で高齢者世代を支える仕組みです。2015年は現役2.3人で高齢者を支える騎馬戦型社会ですが、50年後には1.3人に1人の肩車型社会となります。
 高齢化に歯止めがかからず、世代構成もいびつになる一方です。社会保障の高齢者向け給付をスリム化しなければ、現役世代の負担が重くなり過ぎます。公的保険による医療や介護サービスは必要なものを絞り込み、高齢者にも資産や収入に応じた負担増を受け入れてもらわざるを得ません。年をとっても長く働けるようにして、年金を受け取り始める時期を65歳より遅らせるように環境を整える必要があります。

(2017年4月11日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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