人工透析の診療報酬減額

 高齢化が進むのに伴い、低下した腎臓の機能を補う人工透析治療を受ける人が増えてきています。透析は腎臓の代わりに機械などで体内の老廃物を人工的に取り除く治療法です。人工透析は、一般的に週3回受ける患者が多く、医療費は1人当たり年間約500万円かかります。その数は30万人を超えて医療費は1兆円を超え、膨らむ人工透析のコストの抑制が医療費削減の焦点になっています。安定した収入が見込めるため安易に透析を導入する医療機関もあり、厚生労働省は透析の診療報酬を減額して医療費削減に乗り出す方針です。
 透析治療には手厚い公的医療費助成があります。自己負担は原則として月1万円が上限となっています。腎臓移植をしない限り、透析治療に入ると一生涯続けなければなりません。患者数が増え、人工透析を手掛ける医療機関は2015年末時点で全国に約4,400カ所と、この10年で約400施設増えています。治療の実施率には大きな地域格差があります。透析治療の人口あたりの実施率は最高の大分県と最低の秋田県との間で4.5倍の差があります。厚生労働省はこうした状況を踏まえ、透析治療の医療費の適正化に乗り出します。透析治療による医療費が特に多い病院など、一定の基準を設けて引き下げの対象となります。

 

(2017年12月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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