介護人材

 介護現場で中心的な役割を担う介護福祉士を目指す学生は、年々減り続けています。彼らを養成する大学や専門学校では、大幅な定員割れが問題になっています。その理由は、仕事が大変な割に給与が低いからです。賞与を含めた介護職の給与は平均で月26万円前後であり、これを世の中のすべての仕事の平均額と比べると、約10万円も低くなっています。
 日本医療労働組合連合会の調査によれば、介護施設で夜勤をする職員の労働時間を調べたところ、夜勤の日の勤務時間が16時間以上という施設が約6割もありました。介護業界の人気は、景気と反比例すると言われています。経済が好転すると、待遇の良い他の業種に人材を奪われがちになります。有効求人倍率は現在3倍以上であり、人手不足が深刻です。国は今年4月から介護職の給与を月平均で1万円増やしましたが、今後も待遇の改善を続ける必要があります。

(2017年7月30日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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