介護福祉士の希望者の減少

 国家試験の出願者数は、例年、14万~16万人台でしたが、今年の出願者数は79,113人であり、半減しました。出願者数の9割ほどを占める実務経験者向けの受験資格が厳しくなったことが影響しています。今年度から450時間の実務者研修が追加されました。大部分は通信教育で受けられますが、約50時間分は養成施設で介護技術などを学ばなければなりません。研修は最長で半年かかり、合計10万~20万円程度の費用もかかります。
 介護職員は、2025年には約38万人足りなくなるとされています。今は資格がなくても特定の研修を受ければ同じ業務ができて、資格の有無に大差はありません。より高度な能力を身に付けた介護福祉士には現場のリーダー役になってもらい、給与を上げるなど待遇を良くすることにしています。待遇が良くなれば、介護現場の優秀なリーダーに憧れて、希望者が増えることの期待感はあります。しかし、資格が厳しくなれば、諦める人も出てきます。質を重視しながら量を確保することはなかなか大変です。

 

(2017年3月2日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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