他人のiPS細胞の安全性

理化学研究所などは、他人からつくったiPS細胞を、目の難病である加齢黄斑変性の患者5人に移植した臨床研究について、術後1年の経過を発表しました。移植した細胞はがん化せず、強い拒絶反応もありませんでした。加齢黄斑変性は国内患者が70万人に上ります。異常な血管が成長するのを防ぐ薬などが使われますが、効きにくい人もいます。根治が難しい病気の一つです。
理研などの研究チームは、2017年3~9月、他人のiPS細胞からつくった網膜の細胞を、失明のおそれがある網膜の病気である加齢黄斑変性の60~80代の男性5人に移植しました。他人のiPS細胞は患者本人のものに比べ、費用や準備期間を抑えられます。移植した細胞は5人とも定着しています。視力はほぼ維持され、1人は向上しました。

(2019年4月18日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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