企業における障害者雇用

企業に義務づけられている障害者雇用の割合(法定雇用率)が、4月に、2.0%から2.2%へと引き上げられました。2021年までには、2.3%となることから、今後も障害者の採用数は増加が見込まれます。一般的に大企業では、障害者雇用のため特例子会社を設け、雇用率を算定する場合が多くなっています。働きやすい環境が整っているものの、健常者と協働する機会は少ないのが現状です。日本では、教育の場でも障害者との接点が少なく、違いに対する耐性がありません。社外では障害者と普通に接することができても、自社の社員として考えると、初めから生産性を求めたり、できないときつく当たってしまったりするケースが多くなっています。
一方、雇用契約を結ぶことが難しい障害者については、労働で得られる賃金が生活を自立させる十分なレベルに達しているとは言い切れない面があります。障害者の自立には、障害年金などとは別に工賃だけで月最低3万円以上が必要となります。情報技術の発達により、ベッドから動けず自らの意思表現が難しい重度の障害者でも、働ける可能性が膨らんできています。現在、障害の有無にかかわらず、全ての子どもが学校で共に学ぶインクルーシブ教育が広がりを見せつつあります。

(2018年8月9日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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