企業の中途採用の増加

中途採用とは、企業が環境に応じて不定期に必要な人材を確保する採用手法です。新卒一括採用を実施しない欧米では主流となっています。自社にない知識やノウハウの導入や事業拡大に伴う人員増強のためなどに用いられます。転職市場が拡大し、総務省の労働力調査によれば、2018年の転職者数は、前年比5.8%増の329万人と10年ぶりの高水準となっています。



日本経済新聞社が4月にまとめた採用計画調査によれば、主要企業の2019年度の中途採用計画数は6万6,763人でした。中途が採用計画全体に占める割合は、28.3%と2018年度より7.5ポイント増えています。自動車業界では、自動運転など次世代技術に対応するため、中途採用を拡大する動きが広がってきています。トヨタ自動車は、2019年度に総合職の採用に占める中途採用の割合を2018年度の1割から3割に引き上げ、中長期的に5割としています。ホンダは、2019年度に採用全体の約4割に当たる約660人を中途採用に充てます。ITなどの専門人材を中心に確保し、給与も実績に応じ評価します。日本の製造業の代表である自動車業界で中途採用が増え、日本型雇用は転機を迎えています。

(2019年10月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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