企業の社内英語化

TOEICを実施する国際ビジネスコミュニケーション協会によれば、2021年の日本の受験者の平均点は574点(聞く、読むの2科目計990点満点)で、過去最高でした。ドイツの826点など欧州各国や韓国の679点に依然として及ばないものの、中国や台湾を抜いています。しかし、比較的点数が低い団体受験がコロナ禍で減ったためと考えられ、実際に英語力が上ったと言えるかは分からないと思われます。
英語を使いこなすには、聞く、読む以外にも、話す、書くが欠かせません。特に話すは、日本人の苦手な分野とされます。日本人は英語に苦手意識を持つ人が多く、高い能力を持っていても、英語が壁となって応募してこない人もいると思われます。逆に、英語もできる優秀な社員は、他社から引き抜かれることもあります。
車など良いモノを作れば伝わる製造業と比べ、ITや商社、サービス業のグローバル化にとって英語は重要です。日本企業はトップ主導で英語が生む経済的価値を考えるべきです。英語化する企業は、社員にネイティブレベルではなく、意思疎通できるレベルを求めていることが多く、個人でもその水準の英語力を身につけやすい環境になっています。

(2022年8月16日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。