休眠預金とは

1月から運用が始まった休眠預金等活用法では、引き出しや入金といったお金のやりとりがなく、10年間放置された預金が休眠預金とされます。休眠預金を活用する制度が整っている国は、英国、ベルギー、ニュージーランドなど20カ国以上あります。残高1万円以上の口座は、お金の出入りがなくなり9年以上経つと、金融機関が預金者に通知を原則、事前に郵送します。届けば休眠預金になりません。引っ越しなどで届かず通知が戻ってくると、休眠預金となります。
毎年、引き出し分を除き、700億円程度が休眠預金になっています。口座の多くは少額で、残高数百円も珍しくありませんが、全体では大きな額です。誰も使わないのなら、公益活動の資金として活用するほうが、社会のためになるのではと考えられ、新制度ができました。預金保険機構は、指定活用団体に休眠預金を交付します。子どもや若者の支援、日常生活が困難な人の支援、地域活性化といった公益活動に取り組むNPO法人などの民間団体の資金となります。住宅地の公園に子どもの居場所を作る活動や、子ども食堂、引きこもりの人の自立支援といったことが想定されます。資金分配団体は、やはり公募で実際に活動する支援先を決めます。資金が乏しく社会貢献に使われるか、支援後の実績もチエックします。

(2019年3月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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