低所得世帯の乳児発育不全

北里大学などの調査によれば、所得が低い世帯の子どもは、乳児期に体重が増えないまま成長する発育不全のリスクが、高所得世帯の約1.3倍になることが分かりました。経済的な理由で、保護者が十分な食事を用意できなかったり、仕事の忙しさなどから育児放棄(ネグレクト)をして、栄養が不足したりしていることが背景にあると考えられています。早い段階からの支援や介入が欠かせないとしています。
研究においては、1歳半になるまでに月齢に応じた標準的な発育をしておらず、体重が十分に増えていない乳児の割合と、親の所得との相関関係を調べています。所得が下位4分の1(平均279万円)の世帯の乳児は、所得が上位4分の1(平均924万円)の世帯の乳児と比べ、体重の増加不良になる割合が1.3倍でした。乳児期の体重の増加不良は、その後の発育や認知能力にも悪影響を及ぼすともいわれています。一方で、子育てや貧困層への支援が充実している諸外国の調査では、親の所得と子の体重に関連がないことが分かっています。

(2018年6月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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