働くお母さんが多くなり、保育所などに預けられる子どもは、5年間で約34万人増えて約246万人に達しています。保育士も約48万人と増加していますが、その数は足りません。保育士の有効求人倍率は2.34倍です。つまり、保育所が保育士を採用しにくくなっています。保育所の空きがなくて待機児童が多い東京都に限れば、5.68倍にも達しています。保育士を集めなければ、新しく保育所を作れず、待機児童を減らすことができません。
保育士不足といっても、資格を持つ人が少ないわけではありません。資格があるのに保育士として働かない潜在保育士が約80万人もいます。保育士として働かない一番の理由は賃金の低さです。保育士の平均賃金は月21万9,000円で、全産業の33万3,000円に遠く及びません。夕方以降も子どもを預けたい親が増えて働く時間が長くなったり、人手不足の職場で休憩もろくに取れなかったりと、労働環境の劣悪さが働かない理由の一つになっています。
（2017年1月29日 読売新聞）
（吉村 やすのり）
