保育所の開設

 待機児童解消に向けた保育の受け皿拡大が続く中、自治体の7割は、保育施設で子どもが出す音や声について、うるさいとの苦情を受けています。建設計画の中止や延期も相次いでいます。多くの住民は協力的ですが、住民によっては騒音について理解が得られないこともあり、保育事業者の地域住民と良好な関係を築く努力も必要となります。
 子どもの声を巡っては、神戸市の保育施設が、園児の声がうるさいと主張する近くの住民から、損害賠償を求められた裁判の判決が注目を集めています。神戸地裁判決は、施設からの音は、我慢の限界を超えているとは認められないとして訴えを棄却しました。住民は控訴しましたが、大阪高裁はこれを棄却しました。高裁判決は、保育施設について公益性・公共性の高い社会福祉施設と認定し、園児が園庭で自由に声を出して遊び、保育者の指導を受けて学ぶことは、健全な発育に不可欠との認識を示しています。

(2017年11月12日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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