修士博士号取得者の減少

科学技術・学術政策研究所の発表によれば、日本の修士・博士号の取得者の割合が減っています。主要7か国の中で減少しているのは日本だけです。文部科学省は、将来、国際競争力の地盤沈下をもたらしかねないと危機感をあらわにしています。日本は、2014年度に新たに修士号を取得した人が7万2,449人(2008年度比2,347人減少)です。博士号は1万5,045人(同1,690人減)と、ともに減少しています。
人口100万人あたりの修士号取得者が2008年度と比べて伸びている国は、中国1.55倍(350人)やフランス1.27倍(1,976人)です。博士号取得者は、韓国が1.46倍(279人)、イギリスが1.23倍(353人)です。修士・博士ともに日本だけが減っていました。日本の博士号取得者は、2006年度をピークに減少しています。空きポストがなければ任期終了後に離職しなければならない、産業界で博士号取得者の受け入れ体制が改善されていないことが減少の原因と考えられています。日本が国際競争で勝ち残るためにも、優秀な若手研究者が安心して活躍できる場をどう確保するかが課題となります。

(2018年9月1日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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