健康寿命の延伸

厚生労働省は今春、健康上の問題なく日常生活を送れる健康寿命を延ばす計画を発表し、政府が6月閣議決定した成長戦略実行計画にも盛り込まれています。日本人の昨年の平均寿命は、男性81.25歳、女性87.32歳で世界トップクラスです。問題は、健康寿命が平均寿命より男性で8歳以上、女性で12歳以上も短いことです。世界保健機関(WHO)の統計によれば、日本の健康寿命はシンガポールに次いで世界2位と高いのですが、平均寿命との差は同国の6.7歳に比べ、日本は9.4歳と長くなっています。
2001年と2016年の15年間の変化を見ても、平均寿命とともに健康寿命も延びていますが、その差はほとんど縮まっていません。健康寿命を延ばすことにより、健康に働ける人に社会保障制度の担い手になってもらい、さらに医療・介護費を抑制する狙いがあります。少子高齢化と生産年齢人口の減少を前に、国の生き残りがかかっています。厚生労働省の掲げる健康寿命延伸プランでは、全ての人の健やかな生活習慣形成、疾病予防・重症化予防、介護予防・フレイル対策・認知症予防の3分野で、具体的な施策を掲げています。

(2019年10月14日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。