働き方改革の効用

 女性が短時間勤務を利用する理由は、「子どもの迎えに間に合わない」がトップです。3位の「家事・育児の多くを自分が担っている」の48%も合わせると、夫の協力があれば利用状況は変わりえます。夫の就業時間が長くなるほど、妻の短時間勤務希望が増えるといった結果もあります。女性のフルタイム勤務復帰を阻むハードルは夫の働き方です。
 働き方改革が進む企業では、育児短時間勤務者が減っています。残業が減るなど無理なく働ける環境が整うことで、早期のフルタイム復帰を果たしています。残業削減に伴い、育児短時間勤務取得者も減ってきています。短時間勤務だと、フルタイム勤務と比べて任せる仕事の質と量にどうしても差がつきます。いかに早期にフルタイム復帰を促すかが課題になってきています。その際、働き方改革が解決の糸口になることがあります。労働時間の短縮により、短時間勤務者とフルタイム勤務者との差がなくなり、早期のフルタイム復帰が可能となります。働き方改革は想定外の効果ももたらすことになります。

(2017年8月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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