働く女性の健康支援-Ⅳ

月経前症候群
月経前症候群(PMS)は、月経前である黄体期に繰り返してみられ、月経発来とともに減退または消失する精神的あるいは身体的症状のことを言います。よくみられる症状としては、イライラ、のぼせ、下腹部膨満感、下腹痛、腰痛、頭重感、怒りっぽくなる、乳房痛などがあると言われています。PMSの原因はわかっておりません。
精神症状が主体で強いものは、精神疾患として、月経前不快気分障害(PMDD)と呼ばれます。また、もともと罹患している病気の様々な症状が、月経前増に増悪する既存疾患の月経前増悪(PME)というのもあります。

PMSの治療法としては、漢方薬、利尿薬、OC・LEP、抗うつ薬であるSSRI(選択式セロトニン再取り込み阻害薬)、心理療法などがあげられます。他にセルフケアとしてサプリメントや、後に示すようなライフスタイルの改善も有効な可能性があります。
漢方では、PMSは月経困難症と同様に於血の問題が生じていると考えられており、漢方薬が有効なことがあります。PMSは、排卵のある周期の月経前に症状が表れることが分かっていますので、OC・LEPによって排卵を止めることが治療になります。抗うつ薬であるSSRIは、月経前の精神症状にも有効性が示されており、精神科のガイドラインでは第一選択となっています。

(よぼう医学 2022.Spring №16)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。