働く女性をめぐる法整備の歩み

働く場での男女平等に向けて法律や制度は、1986年に施行された男女雇用機会均等法が第一歩です。それまでは、大卒女子は採用しない、女性は結婚したら退職といった女性差別が当たり前でした。
採用や昇進などで、男女に差をつけないよう企業に努力義務を課しました。法施行を機に、多くの企業が総合職に女性を採用するようになりました。しかし、法律を作る際、労働者側などは採用や昇進の差別禁止を主張しましたが、経営側が猛反発したことにより、当初は努力義務にとどまりました。
努力義務が禁止に変わったのは、1999年の改正法施行からです。女性のみの募集もこの時禁止され、セクハラ防止の配慮義務も盛り込まれましたが、この義務化は2007年改正法施行からです。均等法は4度改正されましたが、それ以前に就職した女性は改正までの間、不平等な状況に置かれ続けました。企業が人件費を削るために増やした非正規雇用は、男女とも問題ですが、その数は女性が男性の約2倍です。働く場での男女平等の実現には、ほど遠い状況が続いています。
2016年施行の女性活躍推進法で、女性の管理職を増やす数値目標を作るよう大企業に義務づけています。男女の賃金差の開示も義務づけられ、公表が始まります。

(2023年3月9日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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