児童相談所における児童虐待の対応

児童相談所(児相)は、初動時における子どもの一時保護などの家庭への介入と継続的に親と信頼関係を築いて家族関係の安定を目指す援助を担当しています。異なる役割を担う難しさを指摘する声が現場などから上がっており、厚生労働省は、介入と援助を別々の機関に分割することを含めて児相の機能見直しを検討しています。
児童虐待の児相での対応件数の増加を受けて、政府は、7月に児童相談所(児相)で虐待対応にあたる児童福祉司を大幅に増やす緊急対策をまとめるなど、体制の強化を急いでいます。児童福祉司は、社会福祉士や大学の心理学科を卒業した実務経験者などが就く専門職です。全国に210ある児相での虐待対応のほか、非行少年の指導にもあたっています。全国の児童福祉司は2017年度で3,253人で、2012年度の1.2倍になりましたが、児相の虐待対応件数は同じ間に2倍となり、増員分を上回るペースで増えています。

(2018年8月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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