児童虐待―Ⅻ

介入の費用対効果
2000年にノーベル経済学賞を獲られたシカゴ大学のヘックマン教授は、政府が子ども達にお金をかける時に、どういう時期にお金をかけるのが一番費用対効果が高いかを検討しています。もちろん学童期の学校教育、就労支援プログラム、そういったことにお金をかけるのは大事ですが、乳幼児期などの早い時期にお金をかけることが、最も費用対効果がみられます。それは養育者支援も同じです。
 早ければ早いほど良いですが、大人でも治るということが分かっています。前頭前野の小さくなった状態が、わずか9カ月間の心理治療で回復することが報告されています。認知行動療法などで前頭葉機能を上げることで、心的外傷からの成長が早くなることを意味しています。こういう治療もトラウマからの脱却(レジリエンス)に役立つことが分かってきています。

(「周産期から見つめなおす児童虐待:アタッチメント障害の脳科学」)
(吉村 やすのり)

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