児童虐待

 厚生労働省の調査によれば、2014年度の虐待死は44人であり、前年度から8人増加しました。亡くなった子どもは0歳児が最多の27人であり、全体の61.4%と6割を超えています。0歳児の中でも、生後24時間に満たない間に15人が亡くなっていました。生後間もない赤ちゃんの死亡が多い理由としては、産んでも育てられないという経済的問題や、出産前後の心の不調が背景にあると思われます。
 生後24時間以内に死亡した15人を分析すると、望まない妊娠をした母親が孤立したまま出産し、虐待につながることが考えられます。生後24時間以内に死亡した15人の加害者は、全員実母です。14人は望まない妊娠で、11人は母子健康手帳を受け取らず妊婦健診も受けていませんでした。子どもの虐待死を防ぐには、妊娠中や周産期の母親に対する支援体制の強化が求められます。

(2016年9月17日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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