再生医療のビジネス化

 京都大学iPS細胞研究所は、再生医療に使うiPSを大日本住友製薬に提供し、ビジネス化を本格的に始動しようとしています。患者に移植できる細胞の提供は初めてです。同社は提供を受けた細胞を増やして独自の供給拠点を構築し、目の難病などで臨床試験(治験)を実施する研究機関に供給することにしています。
今回提供されたiPS細胞は、京大が日本赤十字社の協力を得て、日本人に多い免疫の型を持つ人の血液から作製したものです。京大が昨年から品質評価を進め、患者に使えることを確認しました。今後、他の免疫の型を持つiPS細胞も順次提供していくことになります。iPSを使った再生医療は、現在は少数の患者に試みる臨床研究の段階ですが、治療方法が確立すれば、企業などが治験を実施して、医薬品としての承認を目指す実用化の段階に移ることになります。

(2015年8月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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