出生数100万人割れ

 厚生労働省が2日に発表した人口動態統計によれば、2016年に生まれた子どもの数は976,979人でした。1899年に統計を取り始めてから初めて100万人を割り込みました。合計特殊出生率は、1.44と前年を0.01ポイント下回りました。2016年の出生数は、前年比で28,698人減りました。死亡数は前年比17,321人増の1307,765人であり、出生と死亡の差はマイナス33786人の自然減となりました。初婚年齢の平均は、男性が31.1歳、女性が29.4歳でともに前年比と同じであり、晩婚化のペースは和らいでいます。
 出産適齢期の女性の数が減り、未婚率が上昇したのが響いています。婚姻件数は62523組で、前年より14,633組減少しています。結婚しない選択肢ももちろんありますが、収入が安定せず、結婚したくても踏みきれない人は多くなっています。若者の正社員雇用など、結婚したい若者が結婚できる社会・経済環境をつくることが不可欠です。日本の社会保障は年金・介護など高齢者向けの対策が優先され、出産・育児支援は後回しにされがちでした。保育の受け皿整備の遅れなど、子育て環境が整わないことには、少子化に歯止めがかかりません。

(2017年6月3日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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