出生率2.81の町

出生数が2年連続で100万人を割り込み人口減が加速しています。多くの自治体が少子化に悩んでいる中、岡山県奈義町は合計特殊出生率が2.81人と上昇しています。奈義町は人口6千人の岡山県の山間の町です。50年前は人口が9千人ありましたが、過疎化が進み、2005年には合計特殊出生率は1.41まで下降しました。市域存続の危機感から町ぐるみの子育て支援に乗り出しました。奈義町では、子どもが増えるごとに出産祝い金、高校までの医療費の無償化、保育費の減免、不妊治療の助成などにいたるまで、切れ目ないサポートを実施してきました。こうした取り組みにより、2014年には出生率が2.81まで上昇しました。
国は女性活躍推進法など様々な支援を行っているにもかかわらず、出生率が伸び悩んでいるのは、女性が子どもを持ちたいという実感が持てないことにあります。来年度から始まる幼児教育・保育の無償化は、優しい社会への実現の第一歩です。障害者を含めた弱者に寄り添える新しい社会づくりができれば、女性も安心して子どもを持とうと思うはずです。奈義町のように出生率を回復するには、子育てに対する経済的のみならず、精神的な手厚い支援が大切であることを示しています。

(吉村 やすのり)

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