切れた神経の再生

名古屋大学のグループは、体内で不要になった細胞を死なせて排除する役割を持つ酵素に、切断された神経の再生を促す働きがあることを明らかにしました。神経の細胞は、細長く伸びた軸索を介して、他の神経細胞や筋肉などに電気信号を送っており、怪我などで軸索が切れると神経として機能しなくなります。
グループは、線虫の神経細胞から伸びた軸索をレーザーで切断して観察しています。細胞を死なせる時には、様々なタンパク質を壊すカスパーゼという酵素が働き、細胞が死んだ時に出るホスファチジルセリン(PS)という脂質の一種が放出されます。この時、カスパーゼが壊した神経細胞のタンパク質は一部だけで、細胞は死んでおらず、細胞膜にある再生に関わるタンパク質にPSが結合しており、PSが結合したことで軸索の再生が促されたと考えられています。

(2018年8月8日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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