初職の形態による有配偶者の差

連合の調査によれば、現在非正規雇用で働く女性のうち、最初に就いた職が正規雇用か非正規雇用かで配偶者の有無に大きな差があることが分かりました。最初の職が正規雇用の人で、配偶者がいると回答したのが63.6%だったのに対し、非正規雇用の人では34.1%と大きな差が見られています。子どもの有無についても、最初の職が正規雇用の人ではいるが57.7%、非正規雇用では33.2%です。
国立社会保障・人口問題研究所の2015年の調査によれば、結婚の障害として最も多く挙げられたのが、結婚資金でした。非正規で働き始めると正社員になかなかなれず、結婚資金を貯めるのも難しくなります。男性の非正規労働者も増え、正社員の賃金も減少する中で、パートナーに安定した収入を求めるようになっています。正規雇用でなければ結婚できない状況にあります。わが国の場合、結婚しないと子どもをつくらないとされ、少子化を考える上で、非正規雇用をなくすことが重要な政策課題の一つとなります。

(2022年5月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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