加熱式たばこによる受動喫煙

加熱式たばこは、たばこの葉を熱して蒸気を発生させる製品で、蒸気中にはアセトアルデヒドなど発がん性物質や、依存症の原因となるニコチンが含まれています。吸っている人の吐き出す呼気を周りの人が吸い込む受動喫煙を引き起こします。日本では加熱式たばこの普及に伴い、そうした受動喫煙にさらされる人が急増しています。
加熱式たばこは、2013年に世界に先駆けて日本で発売されました。加熱式たばこを吸う人の割合は、2015年に全人口の0.2%でしたが、2019年には11.3%に急増しています。WHOは、紙巻きたばこなど従来のたばこ製品と同じ規制が必要だとの見解を示しており、FDAも従来製品に比べて害が少ない、健康上のリスクが低いといった見方を認めていません。
20~69歳の約5千人に受動喫煙の経験を尋ねる調査によれば、1カ月間にほぼ毎日、加熱式たばこによる受動喫煙にさらされた人の割合は、2017年の4.5%から年々増え、2020年は10.8%と約2倍になっています。男性は女性よりも割合が多くなっています。
2020年時点で加熱式たばこによる受動喫煙にさらされるリスクを、2017年時点の教育歴で比べると、中学・高校卒の人は、大学・大学院卒の人の1.6倍と高くなっています。この差は、加熱式たばこの有害性に対する認識の違いが原因と考えられています。

 

(2022年6月18日 岐阜新聞)
(吉村 やすのり)

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