労働生産性の評価―Ⅱ

スマイルカーブ現象
労働生産性の低下の原因の一つにあげられるのが、スマイルカーブ現象です。製品の生産から販売までの各段階で、どの程度の収益が得られるかをグラフ化すると、笑顔の口の線を描きます。川上の開発や部品製造と川下のメンテナンスやアフターサービスの収益性は高いのですが、中間の製造段階ではあまりもうからない傾向をさしています。
米国の製造業の労働生産性が上位にあるのは、全て一貫して手掛ける日本と違い、川上や川下で稼ぐ改革が進んだことが大きな要因です。人工知能(AI)向け半導体などで急成長する米企業は、自前の工場を持たず、従業員の7割が研究開発部門に所属している企業もあります。開発に集中して大きな利益を上げています。

(2018年3月9日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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