動物体内でのヒト臓器の作製

 文部科学省の専門委員会は、移植用の臓器を作るため、動物の受精卵に人間の細胞を注入した胚と呼ぶ特殊な細胞の塊を動物の子宮に戻す研究を認めようとしています。この胚は動物性集合胚と呼ばれ、これまでは動物の体内に移植することが禁止されていました。
 この方法は、特定の臓器ができないよう遺伝子操作した動物の受精卵に人の細胞を移植、動物の子宮に入れて妊娠させます。そのまま育てると、人の臓器を持つ動物の子どもができることになります。動物の受精卵に人のiPS細胞を入れてブタなどの体内で臓器を作る研究が国内外で進んでいますが、実際に移植に使える臓器ができているかは確かめられていません。しかし、人の細胞が混じった動物の出産を認めるかは、継続して議論することになります。

(2017年8月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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