医学部入試での女性差別

2018年に発覚した不正入試問題を受け、各大学で是正が進み、医学部医学科を置く大学の2021年度の合格率は、女性が男性を0.09ポイント上回りました。受験者数では、男性が上回る状況が続いています。一連の問題は、2018年7月、文部科学省の私立大学支援事業を巡る受託収賄事件をきっかけに明らかになりました。文部科学省の調査によれば、東京医科大学や順天堂大学など計10大学で、女性や浪人生を不利に扱うなどの不適切な入試が確認されました。
医学科がある各大学では、これまで男性の合格率が女性を上回り、順天堂大学の2013~2018年度の男性の合格率は、女性の1.67倍で最大の差がありました。文部科学省は、2018年に性別や年齢、現役か浪人かで合否判定の差を設けるのは不適切として改善を求めました。国公私立81大学の医学科の入試結果の集計によれば、男女の合格率の差は徐々に縮まっています。
2021年度入試では、医学科を受験した女性の平均合格率は13.60%で、男性の13.51%よりわずかに高くなっています。一方、医学科の女性の受験者数は約4万3千人で、約6万2千人の男性より3割少なくなっています。

(2022年5月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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