医学部地域枠の定員割れ

地域枠制度は、地方での医師不足解消に向け、都道府県から奨学金の貸与を受ける代わりに、卒業後その地域で一定期間働く制度です。地域枠がある66大学のうち、半数の33大学で計187人分の枠が埋まっていません。制度が導入された2008年から2018年度の通算では、学生が勤務地の制限のない一般枠に振り分ける不適切な運用もみられています。医学部定員は地域枠に限り、臨時の定員増が認められています。厚生労働省によると、定員の8割未満だったのは、東北大学(定員33人中17人、充足率52%)、千葉大学(定員20人中4人、充足率20%)、信州大学(定員18人中2人、充足率11%)、久留米大学(定員5人中0人、充足率0%)などです。
地域枠入試では、地域枠と一般枠を区別して選抜する別枠方式と、一緒に選抜し入試前後に希望者を募る手挙げ方式があります。別枠式だと、地元出身者に限定しない募集でも、9割以上が埋まっています。充足率が低かった信州大学や千葉大学、東北大学は手挙げ方式で、入学後に希望者を募る事後型でした。

(2018年11月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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