医学部地域枠

医学部地域枠とは、医師になった後、地元で一定期間働くことを条件に、大学医学部に入学しやすくしたり、医学部生に奨学金を支給したりする制度です。この地域枠が拡大し、医学部の定員の2割近くに達しています。都道府県が貸す奨学金(月10万~30万円程度)の返済を免除したりしており、地域の勤務期間は9年が多くなっています。文部科学省によれば、地域枠の募集人員は2008年度に33大学の403人分でしたが、2017年度には全都道府県に広がり、全医学部定員の18%の71大学の1,674人分と4倍に増えています。


地域枠は医学部入試を変えています。地域枠の入試は筆記試験がなく、高校の推薦、センター試験、面接、論文で選抜している大学もあります。奨学金の対象者を広げる動きもあります。しかし地域枠で入ったとしても、他の地域で医師になりたいと希望する人もいます。地域枠と知りながら採用した場合は補助金減額もありえます。奨学金を返し、地元勤務の条件から逸脱するものもいます。しかし、高校生の時の約束でどこまで縛れるのかという疑問の声もあります。

(2018年6月21日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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