医師の長時間労働是正

 厚生労働省は、医師の長時間労働が問題となる中、都道府県に対し労働基準法違反の疑いがある医療機関を確認し、改善指導を行うよう要請しています。都道府県は、医療勤務環境改善支援センターを設置し、医師の長時間労働是正のための指導を実施しています。今夏以降、同センターは労使協定で定められた時間外労働の上限を確認します。厚生労働省は、月45時間、年360時間が目安としています。労使協定の上限が目安よりはるかに長い場合は、長時間労働が常態化している恐れがあるとして、医療機関に対して医師一人ひとりの時間外労働の時間数を確認するなど実態調査します。
 政府は上限規制を盛り込んだ労働基準法改正案において、医師も上限規制の対象でありますが、医師には診療に応じなければならない義務があることから、制度導入から5年の猶予期間を設けるとしています。医師の勤務環境の改善には時間がかかるので、今から取り組んでいくことが必要です。厚生労働省の調査によれば、医師の時間外労働は、80時間を超えていたのは全体の6.8%を占めており、年代別では20代の割合が最も高く、10.6%に上っています。

(2017年7月11日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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