医師の長時間労働

 総務省のいう過労死ラインとは、発症前2ヶ月間ないし6ヶ月にわたって、1ヶ月当たり概ね80時間を超える時間外労働が認められる場合をいいます。これは週60時間超の労働に相当します。この過労死ラインを超えて残業する人の割合は、全職種では14%ですが、医師は最も高く41.8%を占めています。過労死などで労災認定された医師は昨年度に4人ありました。2年前に自殺した都内の公的医療機関の産婦人科に勤めていた男性研修医は、今年7月に労災認定されています。
 医師は、自己申告をもとに勤務時間を管理しているため、実際の労働時間と大きく食い違っている場合が多くなっています。医師には、医師法が定める診療を求められたら拒めない応召義務があります。夜に救急患者らを診る当直をした後、そのまま日中の勤務にあたるといった過酷な働き方をしている医師も少なくありません。地方の基幹病院として診療の制限はできません。長時間労働の解消は、医師確保ができてこそです。

(2017年9月10日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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