医療をめぐる状況の変化

 少子高齢化が進み、2025年には75歳以上の後期高齢者が現在の1.4倍の2,180万人に達します。出生数の減少と死亡数の増加により、人口減少のみならず、1564歳の生産年齢人口も1割ほど減少し、7,170万人となります。一方、医療費は増え続けます。2015年度の医療費は約42兆円で、団塊の世代が全て75歳を超える2025年には推計で54兆円になるとされています。
 とりわけ最近は高額薬が医療費を押し上げています。日本では効果と安全性が認められた薬は高額でもすべて公的保険の対象となっています。患者は少ない自己負担で使えますが、その分、保険料や公費で賄う負担が増えています。来年度は6年に1度の医療と介護の報酬の同時改定があります。医療費が膨張する2025年前に医療と介護の体制を見直す良い機会となります。2014年度の薬剤費は約9兆円で、医療費全体の約2割を占めています。2015年度には高齢化による影響を除く医療費が前年度比で2.7%に伸び、その半分の1.4%分は薬剤費が押し上げています。

(2017年8月25日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。